メッセージ

     「復活の朝」  吉村知子
 イエスが十字架上の死を迎えたのは金曜日です。イエスを信じていたアリマタヤのヨセフはピラトに申し出て、イエスの遺体を引き取ることになりました。夕方、遺体は十字架から降ろされ、墓に納められ、入り口は大きな石で封印されました。そこから数えて3日目の朝早く、女性たちがイエスの遺体に香油を塗るために急ぎます。しかし墓を封じていた石がどけられ、中に入るとイエスの遺体がなくなっていました。途方に暮れる女性たちの前に天使が現れ、「なぜ生きておられる方を、死者の中に探すのか。あの方はここにはおられない。復活なさったのだ」と伝えます。そこで女性たちはイエスがかつて「十字架につけられ、3日目に復活する」と語られたことを思い出し、弟子たちに、イエスが復活されたと告げ知らせます。しかし、それを聞いた弟子たちには、その話が“たわごと”のように思え、女性たちの言葉を信じませんでした。弟子の内のある者は、「この目でイエスを見て、その手と脇腹の釘跡に指を入れてみなければ決して信じない」とまで言ったのです。しかしイエスはその後、弟子たちが集まっているところに現れ、「私の手を見なさい。あなたの指を脇腹に入れなさい」と、肉体を持っていることを示し、「信じない者ではなく、信じる者になりなさい」と言うのです。
 イエスは復活したことによって、ご自分がメシア、すなわちキリストであることを決定的に証明しました。ここに、「復活したキリスト」を信じるキリスト教が誕生するのです。