メッセージ

~「主の祈り~天の父よ」    吉村知子               
主イエスは宣教活動中、朝早く山に登り、一人静かに父なる神に祈りを捧げていました。イエスの活動の源泉は、この祈りにあったと言っても過言ではないでしょう。神の子であるイエスでさえも、祈りを大事にしておられたのですから、私たちにとって、祈りがどれほど大切なのかは、想像にかたくないでしょう。それを実感した弟子たちが、「主よ、私たちにも祈りを教えてください」と言いました(ルカ11:1)。それを受けて教えてくださったのが、ルカ11:1-4とマタイ6:9-13に記されている祈りで「主の祈り」と呼ばれるものです。「主の祈り」は今日のキリスト教会の礼拝で、共同体として公に祈られている祈りです。文体は教派によって異なりますが、文語体から口語体へ移行した祈りを使用している教会もあります。しかし文体は異なっても、そこに秘められた深い意味を知り、この祈りを生きることが重要です。
「天の父よ」で始める祈りは6つの部分で構成されています。「御名があがめられますように・
御国が来ますように・御心が行われますように・日ごとの糧をお与えください・私たちの罪(負い目)をお赦しください・試みに合わせず悪からお救いください」。
 本日からその一つひとつをご一緒に読み、味わっていきたいと思います。1回目の今日は、イエスが呼びかけた「天の父よ」について、父なる神と子なるイエスとの関係に着目して、私たちも「アバ父よ」と呼びかける幸いを味わっていきたいと思います。