メッセージ

~「ペンテコステの出来事」~    吉村知子               
先週は「ペンテコステ前夜」と題して、約束の聖霊が降るペンテコステの前に、弟子たちが「使徒の補充選挙」をして共同体の基礎固めを行っていたことをお話ししました。現代に生きる私たちには新約聖書が与えられているので、イエス昇天から10日後にペンテコステが起こったことを知っていますが、当時の弟子たちはそれを知る由もありません。それにもかかわらず、彼らは主の約束を信じて「今できることは何か?」と考え、祈りによって行動しました。「今日」という日を大切にして「今できることは何か」と考えることは、私たちにとっても忘れてはならないことです。
さて、本日のテキスト使徒言行録2章を読むと、約束の聖霊がいよいよ降ったことが記されています。時は五旬節です。12人になった使徒たちは、ほかの弟子たち、その中には女性も含まれていましたが、すでに120人に増えていた共同体と心を一つにして祈っていました。するとそこに、聖霊が降ったのです。使徒2:1-4「突然激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ・・炎のような舌が一人ひとりの上にとどまった。すると一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話し出した」。祭りの為にエルサレムに集まっていた人々は、故郷の言葉で「神の偉大な業」を聞くことができたのです。パウロは「信じたことのない方を、どうして呼び求められよう。聞いたことのない方を、どうして信じられよう。宣べ伝える人がなければ、どうして聞くことができよう」と言います(ローマ10:14)。
ペンテコステの出来事は、福音が全世界に広がる第一歩だったのです。