メッセージ

    ~「ペトロの説教」~    吉村知子               
五旬祭の日に、約束の聖霊が降りました。弟子たちの群れは120人に増え、その日みんなは心を一つにして祈っていました。その時に聖霊が降ったのです。「突然激しい風が吹いてくるような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話し出した」(使徒2:2)。ここに神の力のシンボルが3つ出てきます。「風・火・舌」です。風はギリシア語でプネウマといい、聖霊と同じ意味を持ちます。火は神が人を新しい任務へ遣わす時に現れます(モーセの召命)。舌は言語を表し、神の業の内容を表します。
聖霊に満たされたペトロは、その場にいた人々(ディアスポラとして各地に散らされたユダヤ人)に神の救いの計画を、ダビデの言葉を引用しながら説明します。ユダヤ人はダビデの子孫からメシアが現れ、イスラエルを再興してくれると期待していました。しかしペトロは、あなた方が十字架につけたナザレのイエスこそメシアであり、神はイエスを復活させた。私たちはその証人であると語ります。その場にいた人々は心を打たれ、「私たちはどうすればよいのでしょうか」と尋ねると、ペトロは「悔い改めてイエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい」と語ります。
「ペトロの言葉を受け入れた人々はバプテスマを受け、その日に3000人が仲間に加わった」(使徒2:38)。聖霊の業(神の業)が現れた瞬間です。この日から共同体は「イエスはキリストである」と大胆に宣教する群れへと変えられていくのです。