メッセージ

  ~「ペトロの力の源」~ 吉村知子
               
 使徒言行録の中にはパウロとペトロという二大使徒が登場します。しかし二人とも、私たちと同じ弱さを抱えた人間です。「私の恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」(コリント第二12:9)とあるように、使徒言行録の中では、二人の人生を同伴する主イエスの力についてたびたび記しています。先週はパウロの回心の出来事を見てきましたが、本日は、ペトロがリダとヤッファで癒しと奇跡を行った様子を見て、ペトロの力の源は一体、どこから来るのか、私たちも奉仕を担う際に、留意すべきことは何なのかを知りたいと思います。
 ペトロは、フィリポが伝道して集会の土台を据えたリダという海岸都市へ行き、8年間中風で床についているアイネアを癒しました。ペトロはアイネアを癒したとき「私があなたを癒す」ではなく「イエス・キリストがあなたを癒してくださる」と言いました。また、ヤッファですでに息を引き取ったタビタに話しかける前に、主の前にひざまずき祈りました。ペトロが願い求めたのは、自分の力ではなく、主イエス・キリストの力でした。ペトロは、自分自身を力の源にしようなどとは、一度も考えなかったのです。ただ、キリストの“通りよき管”として用いていただくように祈り求めたのです。私たちも、自分が何をしようかと考える前に、キリストが私たちを通して何をなさるかということを、ペトロに倣って祈り求めたいと思います。