メッセージ

 

~「あなた方は世の光である」~   吉村知子

主イエスは山上に集まった弟子たちに「あなた方は世の光です」と語ります。ここで注意すべきことは、「世の光を持っている」とか「世の光になるだろう」と、あいまいな言い方ではなく、はっきりと「あなた方は世の光である」と断言しているのです。少し前の箇所を読むと「義のために迫害される人々は、幸いである。天の国はその人たちのものである」(マタイ5:10)とあるように、イエスの弟子になるとは、この世で迫害を受けるが、たとえどのような状況にあっても、「あなた方が世の光であることには変わりがないのだ。私が保証する」とおっしゃるのです。何という力強い言葉でしょう!
さらに、イエスはたとえで「山の上にある町は隠れることができないし、ローソクを燭台の下に隠す者はいない」と言って、あなた方の光を人々の前に輝かすようにと語ります。なぜ光を輝かすのか、との理由は16節にあります。「人々が、あなた方の立派な行いを見て、あなた方の天の父をあがめるようになるためである」。ここで「立派な行い」(善い行い)と訳されている言葉は、原語では、「道徳的に立派で非の打ち所がない」という意味ではなく、「美しい、慕わしい」という言葉です。ぎらぎらとした光ではなく、マタイ5:15にあるように、ろうそくのような、人の心をともす光です。それは、主イエスによって、愛され、赦された喜びからあふれ出る、穏やかな光なのです。