～本日のメッセージ「神の前に豊かに」～澁谷和美牧師
ルカによる福音書１２章１３節～２１節
　ここの小見出しは「愚かな金持ち」のたとえとついている。
このたとえの結末を読むとき、私はなんともやりきれない思いがする。彼は自分の老後の責任をきちんと取って、生活しているのではないかと思うのである。たとえ今夜いのちを取られても、彼にとって安心して死を迎えるまで生きられるのである、その安心感は不確定であってもである。日本人の中にもこのような人が結構いるのである。どこが悪いのか。
。しかし、神はこの金持ちに対して「愚か者」と言われた。神の思いは私の思いとは違うのである。
神は彼に期待していたことがあったようである。私たちにとって命も財も人とのつながりも神ご自身の恵みと憐れみによっていただいているものである。そのことを忘れる、無視してしまうと、そこには「ただ自分のために」という自己中心の思いしか出てこないのである。
「（21節）自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならないものはこの通りだ。」とイエスは言われた。
イエスは神の前に豊かになることをこそ期待しておられたのである。それは自分のために富を摘むことではなかった。誰のために。
この後33節では「 自分の持ち物を売り払って施しなさい。擦り切れることのない財布を作り、尽きることのない富を天に積みなさい。」この世的にはリスキーな対応をこそ、イエスは求めておられるのである。この世的には常識的ではないことを要求される神であるがそれこそが朽ちることもない、失うこともない、誰にも取られることのない自由な豊かさなのである。