メッセージ

~本日のメッセージ「主の名を呼び求める者は」 ~澁谷和美牧師
ローマの信徒への手紙10章5節~13節
 
ローマ 10:13 「主の名を呼び求める者はだれでも救われる」のです。
 選民イスラエル人(ユダヤ人)から起こった神の救いの出来事は、神の子イエス・キリストの十字架の死と三日目の蘇り(復活)の出来事によって新たな救いの世界を開きました。神の民として割礼を受けたユダヤ人だけでなく、すべての民の救いの出来事となりました。多くの異邦人(ユダヤ人以外の人たち)にとってうれしい知らせでした。
一方でユダヤ人にとってどうだっただろうか。彼らにとってこの知らせを容易に受け入れられたわけではない。10章の一節には異邦人の伝道者として立てられたとはいえ、パウロがユダヤ人の救いを真摯に祈っている言葉が記されております。彼らが受け入れないのは、ユダヤ人の求める義は自力で得られるとする間違った認識のまま、神の義を知ろうとしないからだと指摘します。パウロはユダヤ人への想いを心に秘めつつ、決してイエス・キリストを信じることが律法から離れていないことをユダヤ人信徒(イエスを信じた人たち)に対して5節から解いています。
ユダヤ人が持つ律法は、彼らにとって身近な、なじみがあるものです。しかし一方で生活苦のため安息日が守れない、また律法の細かい規定によって初めから救いから漏れてしまう存在をも作り出しました。命より律法遵守の優先がありました。それでもなお、信じて歩んでいるユダヤの民をパウロは目の前に見ていました。
パウロはここで、信仰による義について彼らの読んでいる聖書の言葉、申命記30章から説明を始めました。
彼らにとってみ言葉は、どこか遠いところにあるものではなく、彼らが日々口ずさみ、また心にとめて味わうことのできるものだと記されています。彼らユダヤ人にとってのみ言葉はそのままイエス・キリストを信じる者たちにも当てはまるものでした。
尚且つパウロが解く「信仰による義」はその口を通して信仰を言い表すことによって救われるものです。決して律法の行いによるものではありません。
10:9 口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じる
なら、あなたは救われるからです。10:10 実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救
われるのです。
信仰の告白からはじかれるユダヤ人はいない。且つ、ユダヤ人に限定されることなく、告白はすべての人に開かれている。ユダヤ人にとってもユダヤ人のしるしである割礼を受けていない異邦人にとっても同じ主(イエス)によって救いに入れられている。同じ神の下にある救いです。12節の「ご自分を呼び求めるすべての人」とはイスラエルの人たちへの尊称の呼び名でした。しかし、この言葉をユダヤ人だけでなくそれ以外の人にも拡大し「ご自分を求めるすべての人を豊かに恵まれるからです」と、締めくくります。