~本日のメッセージ「何が神の御心であるか」~澁谷和美牧師
ローマの信徒への手紙12章1節~8節
本日の讃美歌は沖縄のてぃんさぐ(ホウセンカ)ぬ花のメロデイの讃美歌です。今週6月23日は組織的な沖縄戦が終結した日、78回目の慰霊の日です。女性連合はこの日を「沖縄命どう宝の日」と呼んでいます。沖縄では多くの人たちが平和の礎を訪れ、亡き人をしのびます。実際には沖縄戦は終わった日ではありません、日本軍の牛島満最高司令官が自決した日です。その後も戦闘は続き、多くの逃げまどう県民を巻きこむ中で、結果的に県民の4人に1人が亡くなりました。未だ遺骨は残っています。一家全滅で平和の礎には名前がなく、だれだれの妹とかの表示もあります。戦争体験者の中にはこの時期、気持ちが落ち込み寝込む人もいると聞きます。各地の慰霊碑の前で慰霊祭が持たれていますが、高齢で参加できない人も増えているそうです。
今日のみ言葉の2節から
12:2 あなたがたはこの世に倣ってはなりません。むしろ、心を新たにして自分を変えていただき、何が
神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい。
「何が神の御心であるか」という言葉が迫ってきます。多くの高齢の沖縄戦体験者は、ウクライナの惨状を見ると、自身の体験と重なり合って「見ていられない」と言います。ある語り部を続けている体験者の方は「「ロシアだけでなくウクライナの指導者も悪い。無抵抗の住民を巻き込んでいるのだから。」と言いました。また「生きるってことの大切さを小さいときから教えなければいけない。」と言葉をむすんでいました。またある学徒隊の体験者は入隊時、上官に「お前たちは自分であって自分ではない」と言われたそうです。国のために命を捧げる教育が徹底し、当然として受け取られていた時代でした。それでもまだ若い15歳位の少年にとってその言葉を聞いて驚いたと言います。最後にぽつりと口にされた「平和はお互いが作り出すもの」との言葉が心に残りました。そうです、私たちが作り出すことができる、意志をもって作り出さなければ実現しないものです。
神が望まれる平和の実現は、人それぞれの命が、心も体も損なわれることなく保たれることです。武器によって相手をコントロールするのではなく対話による解決です。
神の秘められた計画を示したパウロは神のご計画のすばらしさに、神をほめたたえて、ユダヤ人の救いについて語ることを終えました。次に、信徒たちのキリストにある新しい生活について示唆を与える言葉を教えます。信仰生活の中心は礼拝です。そしてキリストの体として各自に神から恵みとして与えられた働きです。各自の働きがあっての教会です。一つのチームとしての教会の働きは「信頼と対話」の中に実現していくのではないでしょうか。それはまたこの世の平和の構築にも欠かせないものです。