メッセージ

  

~本日のメッセージ「生きる者となる」 ~澁谷和美牧師        
創世記 2章4節後半~17節
 4節後半からもう一つの神の創造の物語が記されています。この物語の著者たちは、7日間の順序正しい創造と完成ではなく、地上に野の木も草もないところに人の創造を始めたと記します。地上に雨はまだ降らず、「地を耕す人もいなかった。(2:5)」からだと言われます。
2:6 しかし、水が地下から湧き出て、土の面をすべて潤した。2:7 主なる神は、土(アダマ)の
塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。
創造の神は湧き出す水で豊かに潤された土くれから陶器師さながらに人を形づくり、いのちの息を吹き入れられました。いのちの息は神の霊です。人を生かす霊は土くれに命を育み、生きる者とされました。そこに神と人との関係性を見ることができます。神は絶対者として人間に臨まれていません。慈しみに満ちたまなざしの中で神の息に呼応するように人は人として生命活動を開始しました。
神は人が生きていけるようにエデンの園を用意され、また食べ物も十分に備えてくださいました。
「自ら形づくった人」をエデンの園に置き、土くれから造られた人を土に仕える者としてその本来性に生きる存在として置かれました。
2:15 主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。
一方では神は、命じました。
2:17 ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。
神の禁止にあたる「食べてはいけない」と「死んでしまう」という言葉は、人が神との関係性において生きる上で、どう応えて生きるかに繋がる問いかけでもあるでしょう。