メッセージ

  

~本日のメッセージ 「箱舟の中で」 ~澁谷和美牧師   
   創世記 7章1節~24節
 こんなに人間が無力にされ、神がなさることをただひたすら見つめつつ、その時が来るの待つ、という出来事があるだろうか。神が映画監督でノア達人間はひたすらカメラを意識しながら、箱舟という限られた空間で生き物たちと共存共生生活を営む。カメラは淡々とノア達の姿を映し出す。そこには平凡ながら生きる営みが、親しみのある動物たちだけでなく今まで出会ったこともない、その生態も分からない生き物たちとの交流も行われている。時に頭を悩ませながら。人間たち同士の情報交換と、動物たちとの交流が大きな慰め、励ましとなったことであろう。
 コロナ・パンデミックの時に私達の多くは巣ごもり体験をした。社会的問題を浮き彫りにした。家庭内暴力、DVも増えた。しかし、一方で今までにない静寂な自分自身を顧みる時を持った人も多かったのではないか。ノアたち家族もまた長期にわたる箱舟生活で、神を礼拝し祈りつつも、限界を感じて来ていたのではないだろうか。
8章1節に「神は、ノアと彼とともに箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、地の上に風を吹かせられたので、水が減り始めた。」とある。家長であるノアの思い、動物たちの様子を御心に留めてくださる方は、彼らのうめきを知り、応えてくださる方でもある。愚直なまでに一筋に主に従うノアの存在によって、神の計画は進められていくのである。