メッセージ

~本日のメッセージ「わたしは主を見ました」~澁谷和美牧師
ヨハネ20章11節~18節(p209―210)

 「絶望」の中に主はよみがえられた。金曜日の絶望から、日曜日の希望へ。
週の初めの日 二度目に墓へ向かったマリアはイエスと出会いました。「わたしは主を見ました」の言葉に込められたマリアの思いを味わいたいと思います。ヨハネの福音書では、主の復活の証人はひとりマグダラのマリアだけを記しています。
墓に行ったマリアはイエスの遺体が無くなっていることにさらに絶望しました。死してなお遺体まで取り去られるとは。呆然として涙する彼女に白い衣を着た天使たちは「なぜ泣いているのか」と問いかけます。泣く必要はないのだという声が聞こえてきそうです。天使の存在にも気づかず、後ろから声をかけたイエスの姿にも、墓の園丁としか見えませんでした。彼女の心を占める思いはイエスの遺体への執着でした。これ以上失いたくない思い。イエスがもう一度「マリア」と呼ばれたとき彼女は後ろを振り向きました。「ラボニ」。
主は呼んでおられた、マリアを。大切な使命を伝えるために。蘇りのイエスに出会った第一証言者として弟子たちのもとに遣わされました。「わたしは主を見ました。」との言葉は、マリア自身の上にもまた絶望から希望への復活の体験が起こったことを示しています。